外反母趾のセルフマッサージ方法
先日、このようなお悩み相談をいただきました。
【自分でもできるマッサージ法を教えてください】
20代の頃からヒールの靴が流行して、当時は何の問題もなく履いていましたが、50代になり外反母趾でどんな靴を履いても痛いです。
これは昔の足に無理のある靴を履いていたことと関係があるのでしょうか?
それに最近は足が疲れやすく、親指の付け根の痛み以外にも足の裏やふくらはぎ、スネなどの疲労感が取れません。
むくみもあるので着圧ソックスは履くようにしていますが、自分でもできるマッサージ方法があったら教えていただきたいです。
よろしくお願いします。
ご質問ありがとうございます。
時代によって流行する靴は変化してきましたが、やはり年代的には今の50代~60代の方の間で初めてハイヒールの靴という文化が輸入されてきたように感じます。
当時はおそらく外反母趾の概念も定着する前で、ヒールのある靴=外反母趾になりやすいという情報自体が浸透していなかったのではないでしょうか。
ハイヒールの靴を履いても外反母趾にならない人もいて、そういった方の多くは歩き方(特に着地の仕方)が真っすぐであることや、ハイヒールでも踏み込みから踏み出しがスムーズであること、ふくらはぎやスネの筋肉がきちんと使われていることなどの条件が揃っています。
いわゆる適度に筋肉もついて均整の取れた「美脚」の持ち主は、かなり高い確率で外反母趾ではなく、骨盤の歪みやO脚やX脚などの足の歪みもない場合が多いです。
反対に、細くても骨盤や足に歪みがあると外反母趾になっている確率が高いというデータもあります。
ヒールのある靴を履いている、履いていないに関係なく、足の使い方や筋肉の付き方で改善できることがたくさんあるということでもあります。
そのためにはまず、足に負担のかかる歩き方をしていると固まりやすくなる筋肉をほぐしてマッサージしておく必要があるのです。
外反母趾になる原因は?
足に合っていない靴を履いている
靴が大きすぎても小さすぎても外反母趾は悪化します。指先で適度に遊びがあり、指で地面を捕らえる動きをする余地がないと、足の握力が低下して踏ん張る力がなくなってしまいます。
足の幅に合わせて足首は固定でき、指先には5mm程ゆとりのあるものが理想的です。
この靴の選び方は子供にもあてはまります。子供は運動量も多いため、つま先に適切なゆとりがないと爪が欠けたり、そのまま巻き爪になったりすることがあるので気をつけましょう。
遺伝的な要因
生まれた時から外反母趾ということもありますが、生まれつき偏平足という方もいらっしゃるのではないでしょうか。偏平足は体重を足裏で分散する機能が低下しやすく、捻挫が多い、転びやすい、外反母趾になりやすいなどの傾向があります。生まれつきの偏平足はなかなか治りませんが、マッサージやストレッチである程度アーチを維持することはできます。
運動不足もしくは過剰に運動している
歩行する機会が極端に少ないと、足のアーチが平らになり、広がった先の親指が捻じれて内転しやすくなります。靭帯性外反母趾に多いのがこの原因で、アーチを取り戻すことで外反母趾が快方に向かう傾向にあります。
ピアニストの手に多いのが親指の付け根が張り出している骨格で、親指が内転して爪の側が外を向いています。この状態で力を入れると炎症を起こしやすくなり、腱鞘炎という形で現れることが多いです。手に置き換えると足で同じようなことが起こっているというわけです。
歩き方や姿勢が崩れている
皆さんは歩く時に気をつけていることはありますか?
踵から着地をして、足の平で踏み出す、この単純に見える繰り返しがあまりできていない人がとても多いです。膝で持ち上げて足の裏全体が同時に着地してしまう方は要注意。
足のアーチも足の筋肉も劣化しやすい習慣になっています。つま先で立った時に痛みを感じるという時は、開帳足がかなり進んでいると言えそうです。
【自分でできるセルフマッサージの方法】
①足首を回す
片足をもう片方の膝に引き寄せて、足首を支えながら回す方の足指の間に手の指を挟んで、外回しと内回しの両方を行います。
外反母趾の足首は固まっていることが多いので、まずは歩行時に疲れやすい足首を柔らかくしておきましょう。可動域は急には広くなりません。1回で劇的に変化することは望まずに、毎晩寝る前に10回ずつ回すなど、毎日続けられる習慣にできると良いですね。
②スネの横の筋肉をほぐす
足を持ち上げるときに使うのがスネの横の筋肉です。外反母趾になっているとこの筋肉が正常に使われずに固まっているもしくは劣化してしまいます。
ほぐしながら流し刺激を与えて、歩行時に自然と使われるように意識してみましょう。
女性は特に筋肉がつきにくい体質の方が多いので、弱い筋肉はさらに弱くなりやすいです。
バタ足の要領でスネを意識して使うのがポイントです。
③ふくらはぎの筋肉をほぐす
膝の裏側から踵に向かってマッサージしていきます。このマッサージは浮腫みの解消にもなり、夕方になるにつれて足がパンパンになりやすいという方にもおすすめです。
浮腫むということは体内の水分バランスや消化活動にも関係はありますが、筋肉量にも関係があります。マッサージだけでなく、踵を上げ下げするエクササイズも効果的です。
④指の間を指圧する
足の指1本1本の間を指圧していきます。足のアーチも大切ですが、アーチが開いたり閉じたりするための足の指の間にある筋肉がしなやかであることも必要な要素です。手と同じように足にも無数のツボが存在しており、指と指の間には肩こりや耳に効くツボがありますので、一緒に刺激しておきましょう。指の間をほぐした後、余裕があれば1本1本を持って回しておくのもストレッチになります。この時、引っ張り過ぎて突き指にならないように気をつけてくださいね。
⑤土踏まずから親指の付け根に向かって指圧する
外反母趾の骨そのものを刺激すると、かえって痛みが増すこともあり、自分で行うにはその周辺を刺激する方が安心です。土踏まずから親指の付け根は踏み出す時によく使う場所であり、外反母趾の足では使われずに凝っていることがあります。ここ柔らかくして足の親指稼働域を広げておきましょう。
いずれのマッサージも、痛みがなく気持ちが良い程度の強さで行うようにしましょう。
肩や腰のマッサージもそうですが、知らずに炎症を起こしている患部を刺激して悪化することがあるからです。万が一痛みが出たり、外反母趾が悪化したりする時は、すぐに専門機関を受診して、痛みの原因を知っておくことを優先してください。
また、痛みが和らいだとしても外反母趾が治ったという意味ではありません。
根本的に解決しておかないと後から大変なことになりますので、外反母趾になっていると気づいた段階で何らかの処置をしていくことが改善・再発防止への近道となります。
サキュレでの治療方法
サキュレでは、手技による外反母趾の矯正の施術を行っております。
外反母趾を自分でマッサージすると大体の場合悪化しがちなのは、親指の付け根で45度から場合によっては90度近く回転して脱臼していることの関係があります。
例えば、肩が脱臼している時に腕を回したら激痛が走るのと同じことが、指の付け根の関節で起こっているということです。まずは正しい位置に固定しなければ、外からの力も筋肉で動かす力も正常に作用しません。そのために、まずは、親指の付け根の関節を調整していきます。
骨盤矯正や頸椎ヘルニアなどの施術と同様に、施術後1回でも見た目はかなり変化します。
施術中の痛みはほとんどなく、数10分程度で完了します。
施術後すぐにハイヒールのパンプスを履くのは避け、なるべく裸足で歩く時間を作って、正常な骨格にしなやかな足の筋肉がつくように心がけましょう。
外反母趾の場合、足のアーチが崩れていることがほとんどですので、施術後も足のアーチを維持できるようにストレッチやエクササイズなどを取り入れると効果的です。
中度から重度まで進行した外反母趾になっている方のほとんどは、歩行時の衝撃でも激痛が走るのをかばうように、姿勢が悪くなっていることがあります。
姿勢は見た目の印象が生き生きと見えないこと以上に、体調面にも悪影響を及ぼしますので、外反母趾の施術と同時に全身の状態を整えていきます。
姿勢が良くなると自律神経が整いよく眠れるようになったり、ぽっこりお腹の贅肉が落ちたり、外反母趾の改善だけでなく嬉しい効果もたくさんあります。
サキュレで施術をした人の感想
この先ずっと外反母趾と付き合っていくのだと諦めていたところ、施術をしていただきその場で足が楽になり魔法にでもかかったような気持ちです。
見た目はすぐに良くなったように見えても筋肉がまだまだ硬いままということで、これからは自分でもマッサージして柔らかくしながら、たくさん歩いて筋肉をつけていきたいです。
若い頃に無理な靴を履いていたことよりも、そういう靴を履いていた時の歩き方に外反母趾になる原因があったようで、歩き方の指導をしてもらえたのも大変心強いです。
膝が曲げて歩いていたからか、年齢よりも年上に見られていたのもコンプレックスだったのですが、若々しい姿勢も一緒に取り戻していきたいです。
嬉しい感想をお寄せいただき、誠にありがとうございます。
今や子供から大人まで幅広い年齢層の間で増えている外反母趾。
その原因は様々で、質問者様のように昔の習慣がそのまま歩き方に影響を与えて、外反母趾になっていることもあれば、内股気味のお子様が重心を分散できずに外反母趾になることもあります。
ほとんどの外反母趾で見られる傾向としては、足の裏だけでなくふくらはぎやスネが固まって疲れやすく、ベタベタドカドカと歩くか、靴を引きずるように歩くのが特徴的です。
膝から下を触った時にブヨブヨしている時は筋肉をきちんと使って歩くことができていないという証拠でもあります。マッサージで流しながら、自然に流れるように筋肉をつけていけると良いですね!
自分でできる!セルフマッサージで外反母趾の痛みを和らげる方法 まとめ
自分でもできるマッサージの方法についてお話してきましたが、どれも痛いと感じるほど強くする必要はありません。
外反母趾になっている足は足首の柔軟性が失われていることが多いので、まずは足首を回して柔らかくほぐしておきましょう。慣れてくると、デスクワークをしながらでも足首を回すことができるようになるはずです。足首を温めるだけで冷え性の改善にもなりますので、1年を通して取り入れていきたいですね。
スネの横にある筋肉は、足を甲の方向に持ち上げる時に使います。足をヒレのように動かした時にちょうど盛り上がる所が目安です。
膝から下に流すようにマッサージしていきます。滑りやすいようにお風呂の中で行っても良いですし、マッサージクリームやオイル、無ければハンドクリームでも代用できます。
脛を流したようにふくらはぎも柔らかくほぐしておきます。ふくらはぎは踏み込む時も踏み出す時も常にしなやかに動くことが求められます。指圧しながら下へと流しておきます。手でマッサージするのも手が疲れるという声も聞きますが、市販されているコロコロマッサージできる器具を使用しても良いでしょう。
スネやふくらはぎを流したら、足の指の間の筋肉をほぐします。水かきの部分に指やマッサージ器具を入れて指圧していきます。ここをほぐしておけば、着地する時の体重の分散がスムーズになり、疲れにくい足の土台をつくることに繋がります。
最後は土踏まずから親指の付け根へかけて指圧していきます。指の間をほぐしてから土踏まずをマッサージすると、ちょうど足の親指が独立する形になります。軽度の外反母趾であれば、セルフマッサージで外反母趾の見た目が改善することもあります。
今回お話してきたマッサージはあくまでも外反母趾で疲れやすく固まりやすい筋肉をほぐしておくマッサージで、外反母趾の施術を自分でもできるということではありません。歪んでいる親指や足、全身の骨格を整えておかないと、悪化してしまう可能性があります。外反母趾になっていると気づいた時点で、専門機関を受診し早めに対処していきましょう。
サキュレでは手技による外反母趾矯正の施術と、全身の整体を行っています。
手術するよりも日常生活を送りながら改善していくこともできます。
気になる症状のある方は、まずはお気軽にご相談くださいね。